チャイルドマインダーとは?
保育士やベビーシッターとは違う新しい保育サービスを提供するプロフェッショナル「チャイルドマインダー」をご存知でしょうか?保育ニーズは高まりや保育施設不足などにより深刻化する待機児童問題などを受け、チャイルドマインダーも注目を浴びるようになってきました。
ここでは、まだまだ知られていないチャイルドマインダーの成り立ちや仕事内容、働き方についてご紹介していきます。
チャイルドマインダーの発祥はイギリスから
チャイルドマインダーは19世紀イギリスの産業革命以降に、女性が働くようになったことから、「家にいない間に子供のケアをして欲しい」という需要がうまれたことがきっかけで誕生します。
最初はチャイルドマインダーという職業はありませんでしたが、需要の高まりから次第に職業として成り立ち、現在では100年以上の歴史をもつ職業となりました。

現在イギリスでは、家庭保育が必要な子どもの約71%がチャイルドマインダーによって保育され、今やチャイルドマインダーはなくてはならない存在となっています。
チャイルドマインダーの利用がこれほど高いイギリスは、保育の基本がチャイルドマインダーと言えます。家庭外保育の需要の高さや、プロに保育してもらえる安心感から年々チャイルドマインダー利用者は増え続けています。

一方、日本でもチャイルドマインダーの需要は次第に高まってきています。その背景には、共働きやシングルマザー・シングルファザーで子どもを育てる家庭が増えてきたことや、ワークスタイルが変化してきたこと、「保育所待機児童」など日本の保育サービスの不足があります。
かつてのイギリスで、「チャイルドマインダーが働く女性を安心させたことで職業が確立した」ように、両親が外に出ることが増えた日本でも、チャイルドマインダーの活躍が今後非常に期待されているのです。
チャイルドマインダーの仕事内容って?
チャイルドマインダーの仕事は、少人数制の家庭的保育サービスを通じて、子どもひとりひとりに対し、きめ細かいケアを施すことです。チャイルドマインダー1人が保育できる人数は原則として4人までと定められていますが、子どもの年齢によっても異なります。保育所などの集団保育で保育できる人数に比べると圧倒的に少ないことが、「家庭的保育」の特徴と言えます。
具体的な仕事内容としては、子どもの食事や排泄の練習、遊びやしつけなど、保育全般に携わります。また、子どもの保育だけではなく、保護者とコミュニケーションをとって、子どもだけでなく保護者の悩みやニーズを汲み取ったり、信頼関係を築くことも大切な仕事のひとつです。

チャイルドマインダーの主な業務内容
- 子どもの食事や排泄の練習
- 遊びやしつけ・片付け・寝かし付け
- 検温・健康チェック
- 保護者との関係づくり・ヒアリング
- 連絡ノートなどの記入
- 各家庭ごとの教育方針の理解
- 保護者の育児相談
- 子どもの性格や生活習慣の理解
子どもが今何を考えているのか、何を求めているのかといった気持ちを汲み取り、楽しい気持ち、嬉しい気持ち、悲しい気持ちに共感できるコミュニケーション能力はもちろん、保護者との関係を築くためのコミュニケーション能力や、子どもを預かっているという責任感も必要になります。
保護者との関係づくりや教育方針の照らし合わせには、子どもの1日の様子をレポートにして提出する連絡ノートなどがとても重要になりますので、出来事を簡潔に分かりやすく文章にまとめる能力も欠かせません。

チャイルドマインダーの働き方は自分で選べる
チャイルドマインダーには、「家庭的保育」と「施設型保育」、大きく分けて2通りの働き方があり、自分の適性に合わせて自由に選ぶことができます。
「家庭的保育」は保護者と直接契約を交わし、チャイルドマインダーの自宅や、保育を必要としている家庭を訪問し、保育サービスを提供します。一方の施設型保育は、自治体や企業と契約を交わし、企業内託児所などの各種保育所で仕事をするという働き方になります。
それぞれの働き方における注意点やメリット・デメリット、気になる収入モデルや稼働時間などについてまとめ、ご紹介いたします。
家庭的保育
在宅型
自宅で子どもを預かり、保育を行います。仕事の開始時間・終了時間は自分で設定することができるため、プライベートと仕事の両立や、時間の管理がしやすい働き方です。
在宅保育は、子どもがいない時間帯に「保育する場所の清掃や消毒」「食器やおもちゃの消毒」「使用した衣類の洗濯」など、備品の管理を自分でやらなくてはならないため、実際の稼働時間は子どもを預かる1時間~30分前、終了時間は子どもを保護者に返してから30分~1時間後になることが多いようです。
また、自宅で子どもを受け入れる場合には、プライベートと保育する場所を分けることや、子どもへの安全性から改装が必要な場合もあります。
- 保育時間例
- 約11時間/1日
- 平均保育料金
- 約30万円/月
- 平均預かり人数
- 3人(延べ人数)
- 延べ稼働時間例
- 約200時間/1ヵ月
- メリット
- 勤務時間を自分で設定でき、自宅で仕事ができる。
- 注意点
- 備品の準備や自宅の改装などに費用がかかる場合がある。
訪問型
依頼者の自宅に訪問し、保育を行います。子どもがもっとも落ち着く場所で過ごすことができる点や、保育に必要な備品や食事などを依頼者に準備してもらうことができる点が魅力的です。
預ける側の保護者も、「1時間といった短時間から頼める」ということや、たとえば美容院やエステ、買い物、上の子の行事、病院へのお見舞いなど、仕事でなくても気軽に利用しやすいことから、訪問保育を希望する人は多いと言います。
ただし、お宅に訪問するということは注意しなければならないこともたくさんあります。たとえば金品の管理や使用する部屋や備品についてなど、トラブルを未然に防ぐためにはあらかじめ話し合って決定事項を書類などにまとめておく必要があるでしょう。
- 保育時間例
- 約8時間/1日
- 平均保育料金
- 約1,500円/1時間
- 平均預かり人数
- 3人(延べ人数)
- 延べ稼働時間例
- 約160時間/1ヵ月
- メリット
- 環境整備の仕事が在宅よりも少なく、保育に力を入れやすい。
- 注意点
- トラブルを防ぐため、金品の管理など慎重に行う必要がある。
在宅+訪問型
自宅で子どもを預かる「在宅保育」と、依頼者のお宅に訪問する「訪問保育」を、曜日や時間帯によって組み合わせる働き方です。あらゆる保育ニーズに柔軟に対応することができるため予約が入りやすいというメリットがある一方、掛け持ち勤務ということで疲れが出たり集中力が欠けてしまうこともあるでしょう。
また、予約がかぶってしまうなどのトラブルを避けるため、スケジュール管理をきちんと行う必要があります。依頼先ごとにカルテを作成するなどし、各家庭ごとの決まりを混同させないよう心がけましょう。
- 保育時間例
- 在宅:週2日(約30時間)+訪問:週3日(約30時間)
- 平均保育料金
- 約1,350円/1時間
- 平均預かり人数
- 4人
- 延べ稼働時間例
- 約150時間/1ヵ月
- メリット
- あらゆる保育ニーズに柔軟に対応することができるため予約が入りやすい。
- 注意点
- スケジュールや依頼先の管理をきちんと行う必要がある。
施設型保育
施設型
自治体や企業と契約し、各種保育所で仕事をする働き方です。主な勤務先は、企業内託児所、病院内保育、商業施設や美容室などの預り所、自治体委託保育施設などになります。施設型保育は家庭的保育とは異なり「外に働きにいく」ので、プライベートと仕事の区別がつきやすいと言えます。
一方、通勤時間がかかることや、勤務先によっては希望の業務に携われないこと、希望した日にちに出勤できないことなど、デメリットもあります。
家庭的保育に比べると仕事の幅は狭まりがちですが、事前に準備しておくものやすべきことなどが少ないため、勤務先によっては子どもの保育だけに集中して取り組める環境が整えられているとも言えます。
- 保育時間例
- 土・日のみ
- 平均保育料金
- 1,000円/1時間
- 平均預かり人数
- 施設状況による
- 延べ稼働時間例
- 約56時間/1ヵ月
- メリット
- 保育をするのに用意するものが比較的少ない。
- 注意点
- 通勤時間がかかる。勤務形態や業務内容が希望通りにいかないこともある。
チャイルドマインダーで収入を増やそうと思ったら

前章で、在宅または訪問による家庭的保育と施設勤務と、それぞれの平均的な収入モデルをご紹介いたしましたが、ここではより高収入を得るためにはどういった働き方を選択すべきかを検証していきたいと思います。
施設で働く場合は、主な勤務先は企業内や病院内の託児所や、商業施設や美容室などの預り所、自治体委託保育施などになり、雇用形態は契約社員またはパートタイムが一般的で、時給の相場は1,000円くらいが目安となりますが、家庭的保育では地域にもよりますが時給1,200円~1,500円程が相場となっており、勤務日数や時間も自分で決めることができるため、「より稼ぎたい」という方には、やはり家庭的保育型がおすすめです。
また、同じ家庭的保育でも、在宅型か訪問型か、そしてひとりのチャイルドマインダーにつき何人の子どもを預かるのかによって異なります。ひとりにつき3~4人、フルタイムで預かることができれば月収30万円は充分に達成できますが、個人経営の場合、そこまで集客できるようになるまでに少なくとも2年~3年はかかるでしょう。
そこでおすすめなのが、資格を持っている人を何人か集めて保育ルームを開設するという方法です。たとえば3人のチャイルドマインダーがいれば、保育ルーム全体で最大12人までの子どもを預かることができますので、収入がアップするほか、小規模保育園と同じような保育プログラムや保育サービスを提供することもできるようになりますね。
チャイルドマインダーと依頼者を繋げるマッチングサイト

子どもの預かりサービスを必要としている保護者と、チャイルドマインダーを直接繋ぐマッチングサイトというものが存在します。依頼をする保護者は、会員登録後、チャイルドマインダーのプロフィールや条件を見て、自分の希望条件に合うチャイルドマインダーに連絡を取り、個人間で面接や打ち合わせなどを行なって契約を結ぶことができます。
チャイルドマインダーとして働きたい人は、保険の加入や損害賠償に関する内容や給与などの条件を登録後、依頼者からのメッセージを待ちます。サイト内の掲示板などで依頼を探し、こちらからアプローチするという方法もあります。
マッチングサイトを通じた保育サービスにおけるトラブルの防止・安全性の向上のために、厚生労働省が定めた「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」という審査基準がありますが、こうしたマッチングサービスを利用するにあたっては、必ずこのガイドラインに適合しているかどうかを確認するように心がけましょう。
以下に、ガイドライン遵守義務を果たす安心・安全なマッチングサイトをいくつかご紹介いたします。
安心保育予約サイト『子ごころ』 https://www.kogokoro.jp/top.php 株式会社 エヌシーエムエージャパン
- 登録の際の各証明書の提出
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サイト内「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドラインについて」「子ごころサイトに登録している保育者について」に記載あり。全ての保育者が全ての種類の証明書を提出している。
- 複数登録の禁止
-
サイト内「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドラインについて」に記載あり。
- 相談窓口の設置
-
サイト内メニューにお問い合わせフォームあり。
- トラブル解決のための措置
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サイト内「このサイトの利用について」に記載あり。
- 利用規約
-
サイト内「このサイトの利用について」に記載あり。
- 個人情報の管理
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サイト内メニューに個人情報保護方針あり。
育児をサポートする安心安全保育。チャイルドマインダーという保育のプロを、ニーズに合わせて便利に予約できます。
comorinet(コモリネット) https://www.comorinet.com/ 有限会社ライフラボ
- 登録の際の各証明書の提出
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サイト内「厚生労働省からのお知らせ等」に記載あり。一部の保育者は1種類以上の証明書を提出している。
- 複数登録の禁止
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ご利用規約内に記載あり。
- 相談窓口の設置
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サイト内メニューにお問い合わせフォームあり。
- トラブル解決のための措置
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ご利用規約内に記載あり。
- 利用規約
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サイト内メニューにご利用規約あり。
- 個人情報の管理
-
サイト内メニューにプライバシーポリシーあり。
お申し込みからベビーシッターとの保育契約成立までベビーシッターのマッチングサービスをベテランスタッフが責任を持ってナビゲートいたします。
KIDSNA キズナシッター https://sitter.kidsna.com/ 株式会社ネクストビート
- 登録の際の各証明書の提出
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サイト内「厚生労働省ガイドライン遵守状況内」「利用規約」に記載あり。全ての保育者が1種類以上の証明書を提出している。
- 複数登録の禁止
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サイト内「厚生労働省ガイドライン遵守状況内」に記載あり。
- 相談窓口の設置
-
サイト内メニューにお問い合わせフォームあり。
- トラブル解決のための措置
-
サイト内「厚生労働省ガイドライン遵守状況内」に記載あり。
- 利用規約
-
サイト内メニューに利用規約あり。
- 個人情報の管理
-
サイト内メニューにプライバシーポリシーあり。
シッター全員と対面審査、保険も完備で安心安全。専用アプリでシッターと直接顔の見えるやりとりで一時保育や送迎を依頼できます。
まとめ

チャイルドマインダーは個人事業主なので、自分で働き方を決められます。仕事量を減らして家族との時間を優先したり、逆にしっかり働いて稼ぐことも可能です。
多くのチャイルドマインダーの働き方は「家庭的保育」ですが、今後「施設型保育」の働き方も増えてくる見通しです。というのも、平成29年に厚生労働省が、待機児童を解消させるための「子育て安心プラン」を発表したためです。
この計画の中に、「大規模マンションでの保育園の設置促進」や「企業主導型保育事業の地域枠拡充など」が掲げられているので、認可外の保育施設が増え、施設型保育でも多くのチャイルドマインダーが活躍することが想定されます。
今後チャイルドマインダーとしての働き方を決めるとき、家庭的保育・施設型保育ともに働き先が多くなることが予想できますね。